大阪 枚方

vol.8 コンサル出身のナイスガイ!製茶問屋の7代目・多田さん

更新日:

大阪府・枚方市で明治時代から製茶問屋を営む多田製茶さんにナイスガイの若旦那がいらっしゃるとの噂を聞き、お邪魔しました!

異色のコンサル出身の7代目!

多田製茶

多田製茶さんは明治初期から茶業に携わる老舗のお茶屋さん。大阪でお茶の仕上げ加工を行う「製茶」をしている問屋は数軒しかなく、そのうちの1軒なのだそうです。7代目に就任予定の多田雅典さんは大手コンサルティング会社を辞め家業を継がれたという異色のご経歴。

多田雅典さん
多田さん
実家の茶業を継ぐつもりは全くなかったんです。それでも黒子としてコンサルでやっていると、実際にメーカー側でやってみたいという気持ちが高まってきて。茶業界の大先輩に相談したところ(お茶は)儲からないけど一生の趣味としてやっていける仕事だよという言葉が響きました

とはいえ、資本の大きさもスピード感も全く違う世界への転身は並々ならぬ決意が必要だったことでしょう。茶問屋にお生まれになり、日本茶インストラクターの資格はすでにお持ちでしたが、お茶のことはゼロからのスタートだったと仰います。そこで茶業を継ぐにあたり、静岡県島田市にある「農研機構 金谷茶業研究所」で栽培・製茶・鑑定についてじっくりと勉強をされました。

都会でパソコンと向かい合っていた生活から一転、静岡では若い学生さんと一緒にお茶を育て、揉むという勉強の日々。授業の後は夜遅くまでお茶の本を読んだり、若い同僚と語り合ったり。休みの日には生産者や茶業者に会いに茶園に出かける。そんな密度の濃い9か月間を過ごされたのだそう。

多田雅典さん
多田さん
メーカーで製品を作るには必ず検品というプロセスが必要になります。お茶の場合、検品して品質を管理するのが問屋の役割です。そのため、お茶がどういうプロセスで作られていて、どのプロセスで問題が発生しているのかを理解できるようになる必要がありました。栽培と製茶を学んだことでお茶の問題がどの段階で発生したものなのかを想像できるようになりました

 

全国各地のお茶が揃っています!

様々な産地のお茶の並ぶ多田製茶の店頭

様々な産地のお茶の並ぶ多田製茶の店頭

産地ではなく、消費地・大阪のお茶屋さんだけあって、店頭には宇治、川根、八女など日本全国の産地のお茶がズラリ。

多田雅典さん
多田さん
産地による味の違いもありますが、関西は火が浅いのが特徴です

はやし
火が浅いってどういうことでしょう?浅蒸しとは違うのでしょうか?

顔中がクエスチョンマークの私に多田さんが図を書いて説明してくださいました!

仕上げ加工の火入れの違い

クリックすると拡大します

荒茶の製造工程である「浅蒸し」「深蒸し」の他に、仕上げ茶の工程での火入れにも強弱があり、火入れによって味わいが大きく変わってくるそうなんです。そして、火入れの強弱は地域によって特徴があるとのこと(関東・九州は火が強めで、関西は火が浅い傾向)。地域によってお茶の好みが分かれる理由もこのあたりにあるのかもしれません。

多田雅典さん
多田さん
当店では火入れをできるだけ浅くしてお客様にお茶本来の味を楽しんでいただけるように工夫しています

 

玉露の飲み比べを体験!

産地の異なる玉露の飲み比べ

産地の異なる玉露の飲み比べ

取材時まだ発売前という福岡・八女と京都・京田辺の玉露の飲み比べをさせていただきました。

はやし
わ、びっくりするほど美味しいですね!お茶というよりジュースのようです。メロンのように甘く残る上品な香りが素晴らしいです

玉露がこんなに美味しいということを知りませんでした。思わず顔がほころびます。

多田雅典さん
多田さん
玉露には幸せの成分テアニンが入っていますからね

と多田さんはにっこり。玉露のテアニンの効果なのか、単に美味しすぎるのか、ともかく口に含めば、笑顔になる美味しさです。火入れが強く火の香りが甘さとなっている八女と、火入れの浅いとろりとした青々しい香りの京田辺。同じ玉露でも産地や火入れでこんなに味の違いがでるのですね。お茶の贈答品として玉露が喜ばれるのもうなずけます。

 

\美味しさに驚いた玉露はこれ!/

多田製茶の「宇治玉露 逸品名人」

多田製茶の「宇治田辺玉露 逸品名人」

多田製茶の「宇治田辺玉露 逸品名人」50g 3,000円(税抜)

京の宇治-自然風土に恵まれ、歴史と伝統を育んできた茶所。この地で伝統の技と、茶づくりに掛ける情熱が代々受け継がれてきました。茶づくり名人と呼ばれるに相応しい、卓越した技により生まれた逸品の名人玉露です。独特の香りと旨味を楽しんでください。

香り
旨味
渋味
水色
コク

ご購入はこちらから→

 

店頭に立てば、ほどけるようにヒントが出てくる

お茶屋の店頭に立って

多田製茶さんの抹茶ティラミス

抹茶の下にもさらに抹茶クリーム!贅沢に抹茶が使われた「枚方のお茶屋が作った、抹茶ティラミス こい味」

多田雅典さん
多田さん
店頭に立つと色々なことに気付きます。お茶屋としては当たり前のことですが、お客様にお茶を淹れてお話をお伺いする中で、ほどけるようにたくさんのヒントが出てきます

そんな持ち前の探求心を発揮され、枚方・交野天の川ツーリズム推進協議会主催の「枚方・交野 天の川ツーリズム SWEETS CONTEST」では「枚方のお茶屋が作った、抹茶ティラミス こい味」がグランプリを受賞。また、京都女子大生と商品開発したお茶の手土産のクラウドファンディングを成功させ、大阪府茶業青年団の審査技術競技大会で優勝するなど、茶業2年目で早くも目覚ましいご活躍です。

はやし
お茶の鑑定がお出来きになるのは、お茶屋のお子さんとして小さい頃からお茶を飲んでこられたからでしょうか

多田雅典さん
多田さん
いえいえ、お茶の香り・味の分類を体系的に理解すればだれでもできるようになりますよ!

誰でも、という言葉には半信半疑ながらも、お茶の味が分かるようになりたいです!

関連

\開催間近/日本茶の「目利き」を目指す! 茶師の日本茶を見る技術を体感する勉強会

多田さんが講師を務められる審査技術の勉強会が東京(12月10日)埼玉(12月9日)で開催されます。誰でも目利きになれる!と仰る多田さんが惜しみなく知識と経験を披露してくださるという講習会。ご興味のある方はぜひチェックを!

講習会の詳細は→

 

消費地大阪から静岡を見て

はやし
大阪で静岡茶を叫んでも、反応が薄くて悲しいです

関西にとって静岡は首都圏に向けた生産地という印象が強い上に、宇治茶というブランドの存在があります。それでも、と多田さんは仰います。

多田雅典さん
多田さん
宇治茶はブランドバリューがあります。そのため、同じ価格帯で荒茶を比較した場合、他産地のお茶が良いケースも多くあります。関西のお茶屋では贈答品としての「宇治茶」に強いニーズがありますが、嗜好品として日本茶を飲みくらべてもらえば、静岡茶に十分なポテンシャルとチャンスがあると思っています

はやし
なるほど!

お茶は知的飲料

お茶は知的好奇心を刺激する知的飲料」と多田さん。昨今のオシャレな日本茶ブームもいいけれど、きちんとした知識があるともっと楽しいとのこと。

多田雅典さん
多田さん
お茶のことを知りたいなら、秋や冬の茶園を知ることも、とても勉強になりますよ。行きましょう、茶園へ!

ということで、滋賀県のお茶の産地・朝宮の茶園見学へと続きます!

多田製茶株式会社
〒573-0163 大阪府枚方市長尾元町1-40-1
TEL:072-857-6056
FAX:072-850-2122
ホームぺージ
Facebookページ
E-mail: info@tsusen.com

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
林夏子(はやし なつこ)

林夏子(はやし なつこ)

岐阜山間部で祖父の営む富有柿畑に囲まれて育ちました。WEB制作会社を経て、2014年よりWEBライターとして活動。静岡県茶業会議所2017年度静岡ティーリポーター。日本茶の味わい、歴史、品種、かかわる人々の人柄に魅せられるファンの一人です。「はてしないお茶物語」は「Shizuoka Greentea Guide」にて連載中。

-大阪, 枚方
-, , , ,

Copyright© 林夏子のはてしないお茶物語 , 2019 All Rights Reserved.